グラすば小話

グラすば小話

ベッドに横たわる昴は、まだすやすやと寝息を立てている。頬に掛かる柔らかな青い髪をそっと退けてやると、小さく呻いた。綺麗な肌だな。触れたいけれど、何故か触れられない。見えない何かに縛られるように、重たい心を引きずってここまで来た。

「あ、……涙の、跡」

もしも俺が昴を拐わずにいれば、彼女は泣かずに済んだのだろうか。戻らない過去に思いを馳せることがもはや習慣となってしまった気がする。

「……ヒロ、ト、」

眉を寄せてぽつりと呟いた昴の手に自分の手を静かに重ねて、顔を伏せた。少しだけ、俺も眠ろう。

おやすみ。

♪:Last Night, Good Night